
宣伝広告や営業方法のひとつとしてDMを活用するケースがあります。しかし、昨今はE-mailなどのデジタルな方法も採用されており、コストがかかるDMを選択肢から外していることもあるでしょう。そこで、今回は「コスト削減で成果を出す」をテーマに効率化のための施策を解説します。
DM発送にかかるコストの内訳
DM(ダイレクトメール)とは、企業や団体が特定のターゲットに向けて、直接送る広告や情報提供のための郵便物や電子メールのことです。主に、製品やサービスの宣伝、キャンペーンのお知らせ、イベントの案内などを目的として使用されます。
顧客の購入履歴などをもとに、関連性のある商品やサービスを紹介することができるので、効果的なマーケティング手法として広く利用されています。ただ、DMを発送するにはさまざまなコストが発生します。
たとえば、送料や制作費です。DMを発送するには送料がかかり、サイズや重量によってコストが変わるのが一般的です。
ただし、一度に発送する部数が多くなるほど、1通あたりの送料が低くなるケースが多いでしょう。また、重量によってコストが変わるので、封筒でダイレクトメールを送るよりも、ハガキを使ったほうがコストを抑えられる傾向にあります。
そのほか、配送会社によっても送料に違いがあるので、あらかじめ料金や条件などを確認しておくことをおすすめします。また、送料のほかに、デザイン料や原稿料といった制作費についても考慮しておかなければなりません。
DMは魅力的なデザインにすることが重要であり、プロのデザイナーにデザインしてもらうことが大切です。また、キャッチコピーやPR文についてもライターに書いてもらうほうがいいでしょう。
専門業者に依頼するとなれば、デザインと原稿料それぞれに費用がかかってしまいます。自社でデザインや原稿作りをすれば費用は抑えられますが、効果的なDMを出すためにはプロに任せることをおすすめします。
また、中には発送代行会社がデザインから制作までワンストップで行ってくれるケースもありますが、制作費のほかに印刷費や発送作業費がかかります。印刷費は文字通り、制作したデザインや原稿を印刷する費用のことをいいます。
印刷費についても部数が多いほど、単価を抑えることが可能です。また、発送作業費とは封筒に宛名を印刷したり、チラシやクーポンなどを封入したりする作業のことをいいます。
ハガキのDMであれば発送作業費は必要ありませんが、封筒を使う場合は発送作業費がかかる懸念があることを留意しておきましょう。そのほか、リスト購入費という、営業リスト代がかかるケースもあります。
DMにかかるコストを見極めるための数値
DMを採用するかどうかを検討するうえで、コストを見極める数値について把握しておくことが大切です。DMの効果測定には、さまざまな方法がありますが、反応率やコンバージョン率、F2転換率などが代表的です。
反応率はレスポンス率ともいい、DMを送った顧客の中から、商品やサービスの購入があったり、問い合わせがあったりなど、何かしらの反応があった顧客の割合のことを差します。DMの発送件数から反応された件数を割ることで、反応率を算出できます。
反応率を確認することで、1人の顧客を引き出すためのコストが明確になり、DMの改善に役立てられます。また、コンバージョン率は成果につながった割合のことです。
コンバージョン率は、DMの発送件数からコンバージョン件数を割ることで算出できます。コンバージョン率を求めることで、どれくらいのDMを発送すれば1件の成約につながるかを把握することが可能です。
そして、F2転換率はFrequency 2の略であり、購入頻度を表すものです。2回目に購入した場合はF2に転換したと表現でき、リピーター率を確認できます。F2転換率は、初回購入者から2回目の購入者を割ることで算出できます。
DMコスト削減・効率化のための具体的施策
DMの導入を検討しているものの、コストがかかるので悩んでいる人も多いでしょう。ここでは、DMのコスト削減や効率化のための具体的な方法を解説します。
DMを効率的に活用するのであれば、不特定多数に発送するのではなく、ターゲットを絞ることが大切です。見込み客や優良客などをカテゴリーに分けることで、適切なリストを作成することが可能になります。
適切なリストを作成することで、ターゲットを絞ることができ、効率的にアピールできるようになるでしょう。また、反応率を上げることも重要です。
反応率を上げるには、クーポンや無料プレゼントなどを盛り込み、顧客に特別感を与えることがポイントとなります。さらに、印象に残る文章やデザインにすることも大切です。
そのほか、発送件数や方法を検討して送料を見直すのもおすすめです。発送件数が多いほど、割引率が高くなるので、1件あたりのコストを抑えられます。
まとめ
宣伝広告の一環として、DMの活用を検討している人もいるでしょう。DMを利用するには、送料だけでなく、制作費や印刷費などのコストがかかります。そのため、DMのコストを抑えて効率的に活用することが大切です。そして、せっかくDMを送ったとしても、顧客に読んでもらえなければ意味がありません。しっかりと顧客に読んでもらうには、ターゲットを絞って印象に残るデザインのDMを制作することがポイントです。DMの発送にはさまざまな工程があるので、自社ですべてを対応するのは現実的ではありません。デザインや発送業務などを、ワンストップで対応してくれる業者もあるので、そういった専門業者に依頼することもおすすめします。